「設計と現場日誌」
仙台市泉区で、地震に強い家にしたいが間取りも自由にしたいかたへ。
4月22日に開催したセミナーのテーマは、間取りと耐震性の関係でした。
東日本大震災や昨年の熊本地震。
地震に強い家にしたいなあと思っている方には是非聞いていただきたかった。
多くの方が、自分の家を作ろうとしたときには間取りを考えることから始めていると思います。
では質問です。
自分が住みたい間取りを描けば、プロが骨組みを考えてくれる、
柱を太くして骨組みを立派にすれば地震に強くなるって思っていませんか?
実はそれは順番が逆なんです。
地震に強いとか構造がしっかりしているということは、まず骨組みがバランスよく出来ていることが必要なんですよ。もっとも強い形は球体ですが、木構造としては1階、2階の柱の位置、壁の位置が揃っていることが強さになります。
ということは、本来は①骨組みを考える→②間取りを考える、のが強い家をつくるやり方になります。
ですから、皆様がまずすべきことは、間取りを考えることではなく、「こんな暮らしがしたい」というイメージを考えること。それをプロに伝えてみるほうがいいと思います。
ただ、家を建てる地盤が弱ければ、骨組みが強くてもダメです。震災でもつくづく感じましたが、「地盤の善し悪し」は家の構造では解決できないことがありますね。
間取りを考えるまえに
「どのくらいの床面積が必要か」目安をつける方法があるのでご紹介します。
とりあえずは木造住宅で大多数が採用している尺モジュールで話を進めます。
(1坪=6尺×6尺 6尺=1.82m)
まず、家族で使うスペース(居間、食堂、共用の和室など)で、欲しい畳数を書き出します。例:リビング10畳、食堂6畳、和室6畳など
次に、個室として欲しい畳数を書き出します。例:寝室8畳、子供室6畳など
このとき、玄関や廊下、水回り、収納部分は含めません。
そしてこれを合計して2で割って坪数を出します。(畳数÷2=坪数)
例:10+6+6+8+6=36畳 36÷2=18坪
この18坪に「間取り指数」を掛けます。
間取り指数2.0なら、納戸、縁側、家事室が可能、収納もゆったり
1.8なら、縁側可能、水回り・収納がゆったり
1.6なら、納戸はなし、水回り・収納最小限プラン となります。
※出典 吉田桂二編 「暮らしから描く快適間取りのつくり方 おすすめプラン120」
1995年 彰国社刊