「設計と現場日誌」
仙台市青葉区。思う存分音楽を楽しみたいので防音室をつくりたい。
先週は築3年のお住まいを訪ねました。
〇県外から仙台へ移住
京都から定年後の仙台移住という変わったケースのお宅でした。
趣味のオーディオを楽しむために「防音」に配慮した部屋を一つ作ったのです。
私たちの施工事例の中には防音配慮のお住まいがいくつかあります。
ギターを気兼ねなく引くため、とか
ピアノ教室を開けるように、とか
卓球室を作った方はボールが跳ねる音で周りにご迷惑にならないように、とか目的は様々。
このお客様の目的は「オーディオ」と楽器演奏でした。外へ音が漏れにくくするような防音工事を床壁天井に施しています。
もう一つ大事なことは窓やドアなどの開口部と、換気扇。
窓の二重化や密閉機能の付いたドアノブを使用した遮音性能の高いドアなどが必要になります。
換気扇のフードも内部で音を吸収するようなタイプを使います。
〇ご入居後の実体験をお寄せいただきました
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2Fのオーディオルームは新築当初から防音対策をお願い致しました。
隣家に対しては効果絶大で、朝早くから夜の遅くまでトランペットの練習をしても全く問題ありません。
お隣の方に、「実は私、トランペットの練習をしています。」とお話した事がありますが、全然気付かないと云われました。
好きなオーディオもガンガンと音を響かせますが、問題ありませんでした。
<1回目の防音対策>
ただ、階下に居る家内には、生のトランペットの音は若干気になる時がある様で、一度防音ドアの勘合調整等をお願い致しました。
お陰で防音効果は大きく改善しましたが、それでも同じ屋内ではどうしても僅かに聞こえる状況は残ります。
私も確認しましたが、そのレベルは僅かであり、階下で落ち着いて話が出来ないとか、気が散って仕方ないとか、許容出来ない範囲ではありません。
どうもトランペットのエネルギーは伴奏の音楽を遙かに凌ぐレベルにある様です。特に高音が気になるとの事です。
伴奏の音楽だけでは全く気にならないレベルなのですが、生のトランペット演奏では音圧レベルが格段にアップするようです。
私としてはミュートを使わずに伸び伸びと演奏したいですし、公園に練習に出掛けずに家で手軽にトランペットを練習したいので、
この辺りで家内には納得して貰っていました。
が、最近ドアの開閉が多いためか、対策当初よりは音漏れも少しアップしているとの感じとの事でした。
<2回目の防音対策>
ドアの隙間加減で防音効果が大きく変化する事を実感できましたので、遅まきながらドアの隙間に更に防音対策を追加してみました。
10/6 3年目の定期点検後の10/12,13の事です。これは個人でトライしました。
採用したのは「すき間モヘアシール」No.9090 槌屋(TSUCHIYA)ディスコ株式会社製でフォーマックで購入しました。
ドアの隙間に貼り付けるフエルトの品物です。
効果は充分にあり、遮音効果も改善出来ました。
が、前回の「防音ドアの勘合調整」対策当初よりは若干劣っているとの家内の感想です。
いずれにしても許容出来る範囲と云う事で、しばらくこれで様子を見たいと思います。
定期的に「防音ドアの勘合調整」は御願いした方が良いのかも知れません。
私としては「すき間モヘアシール」追加で、「防音ドアの勘合調整」が必要なくなるとか、
「防音ドアの勘合調整」を御願いする時期を遅らせる事が出来ればと願っています。
オーディオとトランペット演奏をいつでも気兼ねなく楽しめる防音設備を導入出来て満足しています。
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〇二世帯住宅の場合の防音
二世帯住宅になると、親世帯と子世帯での生活時間の違いから、家族の生活音が気になることがあります。
一二階で世帯が分かれるのなら、床の遮音性能を上げる必要があるかもしれません。
あるいは間取りの工夫で、一階の寝室直上には二階のリビングを配置しないようにすることが有効です。
お孫さんの音なら気にならない、と言うこともあるようですね。
〇こんなご相談も。
最近の相談事例では「お隣から深夜まで大きな話し声が聞こえてきて眠れない」というものがありました。
こちらはアパートではなく自己所有のお住まいなのですが、二軒が壁を隔てて隣接している作りなのでかなり響いてしまうようなのです。
防音遮音建材のメーカーである大建工業さんでは、定期的に「音」に関する相談会を開催しているそうです。
仙台駅東口のショールームには本格的なホームシアターもあります。
ご興味があったら訪ねてみてください。