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宮城仙台で家を建てる。地盤は大丈夫?

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「設計と現場日誌」

宮城仙台で家を建てる。地盤は大丈夫?

2020年02月11日

こんにちは。1月2月は勉強会やセミナーに多く参加しています。

今話題の働き方改革についてのものだったり、人事評価などの総務的な内容と、住宅業界の技術的なものだったりいろいろです。

その中で先週参加してきたのは「その地盤改良工事は本当に必要ですか?」と題したセミナーでした。

古い話題になりますが、1990年頃に起きた欠陥住宅事件がありました。第三セクター「秋田県木造住宅株式会社」が、千葉県山武郡で建売住宅を分譲したのですが、その土地は湿地を埋め立てて間もない地盤が軟弱な土地だったのです。(秋住事件)

これをきっかけに「住宅の品質確保の促進等に関する法律」通称品確法ができました。構造上の欠陥について、建築業者が10年間保証する内容です。さらに、資金の裏付けとして、瑕疵保険制度ができました。

瑕疵保険というのは、住宅に欠陥があった場合に建築業者が保険をかけてそのための費用をまかなうという内容です。

基礎から上の構造に関しては、設計施工でその強度を確保できますが、地盤に関してはみえない部分ですから調査をしないと大丈夫かどうか判断は難しいのです。そのため保険を引き受ける保険法人(損保会社ではなくこのためだけに設立された法人です)では、地盤調査の実施をほぼ義務づけています。

建て替えなのに地盤改良の判定が出る?

新しい造成地や埋め立て地ではなく、今まで家が建っていた土地に建て替えをする場合でも、調査の結果「地盤改良が必要」との判定が出ることがあります。
実は、当社で昨年建築した登米市の住宅の敷地もそのような状況でした。農家の敷地で長年使われていた土地です。

地盤調査業界の問題点。

現在地盤調査に多く使われている方法はSS試験(スウェーデン式サウンディング試験)です。https://www.css24.jp/service/test/img/sw-shudo03-1.jpg

おもりを載せたキリを回転させながら刺していくことで地盤の強度を推定します。

図のような人力(手動式)と機械が自動で回転させたりおもりを増やしたりする自動式があるのです。

問題点は二つ。一つは自動式の場合安全側を考えているようで手動の場合よりもデータが悪く出る傾向があると言うこと。

そしてもう一つは地盤調査を行っている会社の多くが地盤改良工事を行っている会社だと言うこと。

地盤調査のデータが悪い方が、地盤改良工事の発生が多くなる訳です。

そのためか、地盤調査自体の費用がとても安く設定されているケースがあるそうです。

今回のセミナーは、登米市の住宅の地盤を再調査していただいたアースレイズさんのご案内でした。

再調査の結果、大がかりな地盤改良工事は不要となり工事費の節約になったのでした。

一回目の調査費に加えて再調査費用がかかってはしまいましたが。なおかつ一回目の調査費より割高の調査費でした。

調査費が高い理由があった。

調査と解析のみを業務としているので、安い調査費を改良工事でまかなうことができません。それともう一つ、今回改めて気付いたのですが、SS試験だけではなく、ハンドオーガーという道具を使って地盤の「土」を採取しているのです。

アースレイズさんが調査した「宮城県」「山形県」の地盤調査結果では1131件のうち改良が必要との判定は85件。わずか7.5%だったそうです。

 

 

 

 

ハンドオーガーで5m下までの土を採取

 

 

 

 

 

 

土質を明確にして解析する

 

 

安全を確保することは大前提ですが、無駄に大がかりな費用をかけて地盤改良工事をすることの無いようにしていきたいと思います。

最後に一言。家を建てようとするかたの多くが勘違いしていることがあります。「地盤改良工事」は「地震対策」ではありません。

建物の沈下、もっというと不同沈下に対する対策です。そのため改良工事後の「地盤保証」も地震に対しての被害には「免責」になることに注意が必要です。

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