「設計と現場日誌」
仙台の工務店、家庭内事故を防ぐ。
コロナウイルスの話題が尽きない昨今ですが、このブログをご覧になって頂いてありがとうございます。
できれば私たちの周りに感染が広まらないで欲しいと願っていますが、もし状況が悪化しても平常心を保って暮らしたいと思っております。
安全なはずの家で起きる事故があります。
今年2月、元楽天イーグルス監督の野村克也さんが亡くなりました。お風呂場で倒れたのです。原因は「虚血性心不全」と言われています。
憩いの場であるお風呂は、実は高齢者にとって家の中で最も危険な場所なのです。入浴中に亡くなる人は年間で19000人にもなります。交通事故の死者数が3200人ほどなのでその6倍もの多さです。
原因は「ヒートショック」
「ヒートショック」とは急激な温度差によって血圧が乱高下したり、脈拍が変動したりして身体に悪影響を及ぼすこと。
これが最も起こりやすいのが冬のお風呂場なのです。
暖房している茶の間から寒い廊下へ出ることでも血圧の上昇が起き、脱衣室で服を脱ぐときにも神経が刺激され血圧が上昇します。そして心臓に負担がかかってしまうのです。
浴槽につかってしばらくして、体が温まってくると今度は血管が拡張し血圧は下がってきます。そうすると次は「低血圧」の危険性が出てきます。
脳に必要な血液が回らず、浴槽の中で意識を失い「溺死」してしまう場合や、浴槽から出た瞬間にふらついて倒れてしまうなどの症状が出たりします。
ノムさんの場合の「虚血」とは心臓に血液がいかなくなり一部が壊死してしまう状態を指し、そして心臓の働きが弱まって心不全が起きました。
大津市消防局ページより抜粋
家の作り方で対処しよう
そのために大事になるのは根本的な家の作り方。家の中で温度差が生じないようにすることが大切です。
大事なのは家全体の断熱と間取りなのです。
とはいえ、高齢の方はもう既にご自宅を建ててお住まいになっています。断熱リフォームをしたり、間取りを替えたりはなかなか踏み切れなかったりしますね。
次善の策だが、給湯器の新機能を活用
建築屋なので設備機器を褒めることはあまりないのですが、「安全面」でお薦めできる情報を手に入れたのでご紹介したいと思います。
給湯器の機能は様々あります。単にお湯を作るだけではなくお風呂のお湯張りをしてくれます。それも(機種によってですが)自動的に冷めたら追い炊きして保温したり、お湯が減ったら自動的に足し湯してくれるなど便利な機能が。
といっても「そこまで快適に贅沢しなくても」という節約家の方はいらっしゃいます。(実はうちの嫁さんがそういうタイプ)
新機能とは「快適」よりも「安全」に配慮した機能なのです。入浴中の事故への対策として「みまもり」機能です。
暑いお湯に急につかることによるヒートショックを防ぐため、設定温度よりぬるめに湧き上げ、入浴を感知したらゆっくりと温度を上げる機能。
長湯で血圧が下がることにより意識がなくなることを防ぐために、入浴時間を感知して音で知らせる機能
浴室のリモコンに人感センサーを内蔵することで、台所のリモコンから浴室の状況がモニターできる機能
こんな安全機能を付けています。
2018年11月、内科医100人にこの新機能をご説明した調査によると、96%の医師が「お薦めしたい」と回答したそうです。
「まだ使えるのに、、、交換なんて」
しかしながら、まだ故障してもいない給湯器を交換することは抵抗がありますよね。
でも、10~15年過ぎている機械はいつ壊れてもおかしくなかったりします。しかも修理部品がなくなっているケースでは結局本体ごと交換しかない場合も多いです。
さらに、車等と同様徐々に燃焼効率は落ちてきているのでランニングコストが知らず知らずのうちに増えていたりします。
もし入浴中の安全面にご関心があればお問い合わせください。カタログをお届けします。
ちなみに今回の新機能は「ガス」給湯器の機能になります。石油給湯器やエコキュートのお宅では対応していません。ご了承ください。